フード
食事は健康管理の第1歩です。適切な量を食器に入れて与え、偏食をさせないように注意しましょう。遊び食いをさせないために食事時間は15分以内とし、食事中は極力気を逸らさせないように、落ち着いた環境づくりに心がけましょう。食器は常に清潔に保ちましょう。
仔犬と成犬では体の大きさが違いますので、成長に合わせてフードの量や種類を変える必要があります。また肥満防止フードや療法食など、体調に合ったフードを選ぶことも重要です。中にはアレルギーを持つ犬もいますので、注意が必要です。
また、飲み水は毎日新鮮なものに換えましょう。ミネラルをーターは尿結石症などの原因になる可能性もありますので、水道水が最適でしょう。
犬の食事として一般的なのは、市販されているドッグフードです。
昔は人間の食事の残り物を与えていましたが、犬にとって人間の食事は塩分や脂肪分が多く、体によくありません。
ドッグフードには、大きく分けて、ドライタイプとウェットタイプがあります。
ドライタイプはカリカリと言われる乾燥したフードです。開封後は直射日光が当たらない場所に保管しましょう。
ウェットタイプは缶詰やパウチなどです。歯に食べカスが残りやすく、歯石や口臭の原因となります。基本的には1回で使い切りましょう。
主流は、比較的安く保存性も高いドライタイプですが、多くの犬は、肉の食感が残っていてにおいの強いウェットタイプを好みます。
また、最近は手作りのご飯を与えている人も増えています。いろいろなメリットがありますが、栄養バランスを考えながら毎日作るのはかなりたいへんです。手作りに挑戦するなら、犬の栄養についてしっかり知識を身につけたうえでトライしてください。
どの食事を与えるかは、飼い主の考え方次第です。いずれにしても安全で、犬に必要な栄養量を十分に与えられるものにしましょう。
ドッグフード購入時のチェックポイント
良質なドッグフードを見極めるには、パッケージの情報をきちんと読る取ることが大切です。
①フードの目的
毎日の主食として与えるフードは、「総合栄養食」と記載されたものを選ぶ。
②検査期間
国産なら「ぺットフード公正取引協議会」、アメリカ産ならAAFCO(米国飼料検査官協会)の検査に合格したという表記をチェックする。
③原材料
くわしく表記してあるものが望ましい。なるべく合成保存科や台成着色科を使っていないものを選ぶ。
④製造年月日または賞味期限
できるだけ新鮮なものを選ぶ。賞味期限は未開封状態での期限なので、開封後は早めに使い切る。
⑤値段
極端に安いものは、安いなりの理由があるはずなので要注意。
・ニラ ・ニンニク
・貝類
・豆、ナッツ類
・鳥の骨、魚の骨
・人間用の味付けのもの
・塩分や糖分の高いもの
・カフェインを含むもの
・香辛料
・チョコレート
・ブドウ
・人間用の牛乳
などです。 基本的にドッグフードや犬用のミルク、おやつを与えましょう。
子犬の食事
乳歯は生えそろう生後3〜4ヶ月くらいまでは、ふやかした仔犬用のフードを与えます。仔犬の頃は消化器官が未熟で、空腹による低血糖症も起こしやすいです。1日に必要なフードの量を3〜4回に分けて与えられるのが理想です。
少しずつふやかす時間を短くし、1週間ほどの時間をかけて仔犬用のドライフードに切り替えます。ふやかしたフードとドライフードの割合を10対0から9対1、最終的に0対10にできれば切り替え完了です。
成犬の食事
小型犬と大型犬では成犬になる月齢が異なります。自分の家のワンちゃんに合わせて成犬用のフードに切り替えましょう。1日2回与えましょう。
・超小型犬、小型犬→生後約8ヶ月
・中型犬→生後約12ヶ月
・大型犬→生後約18ヶ月
・超大型犬→生後約24ヶ月
これらの時期に切り替えるのが適切です。この場合も、ふやかしフードをドライフードに切り替えた時と同じ方法で切り替えます。
高齢犬の食事
高齢になると、運動量が減ります。そのため低カロリー、低脂肪で消化しやすいフードを与えましょう。健康管理に特に注意が必要な高齢犬は、日々の食欲や排便、排尿などに注意を払い、食事の内容や量や回数を調節しましょう。疾病がある場合は獣医さんに相談し、療法食に切り替えましょう。
切り替えるタイミングは、老化のサインがで始めた頃です。一般的に
・超小型犬〜中型犬→7歳ごろ
・大型犬、超大型犬→5歳ごろ
と言われていますが、目や口の周りに白い毛が生えてきたり、名前を呼んだ時に反応が遅かったり、睡眠時間が長くなったりと老化のサインで見極めるのが良いでしょう。
犬に与える量は、ドッグフードのパッケージに記載されているものを目安にしましょう。
体型や1日の運動量などによっても変わってきます。便の調子や食欲などを見て調整しましょう。
便の調子でチェック
・適度な硬さの便→適切な量食べています
紙でウンチをつかんで片づけたときに、ペットシーツに少しあとが残るくらい
・硬くてコロコロした便→食事量が少ない可能性あり
・やわらかい便→食事量が多い、または消化不良の可能があり
消化不良の場合は1食分の量を減らして食事回数を増やします。子犬の場合は離乳食に戻すなどの工夫を。下痢が続くときは動物病院へ連れて行きましょう。
食欲でチェック
・ガツガツ食べる→食事量が少ない可能性あり
がっつくのは健康な犬の反応ですが、しっこく食器をなめるようなら、少し量を増やして様子を見てみましょう。
・あまりほしがらない、残す→食事量が多い可能性あり
15分たっても食べないなら食器を片づけ、次の食事まで水以外あげずにいましょう。食べなくても元気なら、子犬は1食分、成犬は1日くらい食事を抜いてもOK。それ以上食べないときは動物病院に相談しましょう。
肥満に注意
犬が欲しがるからと、際限なくフードやおやつを与えるのはNGです。フードは体型や体重を管理しながら、おやつはトレーニングのご褒美程度でとどめておきましょう。